以前に、我が家が良く出没(?)する近所の大型公園を何ヵ所かここで記事にしましたが、今日はホントに我が家から直近の、いわゆる普通の“街中の公園”をチョット違った角度からご紹介してみますネ。
ここは伊丹市内にある
『笹原公園』といって、先日2度ほど記事にした『伊丹スカイパーク』と同じ一昨年2006年にオープンしたばかりの、伊丹市内では最新の公園のひとつです。
ここに限らず、最近、あちこちで頻繁に造られはじめている最新の都市型公園というのは、ある目的から、普通の街の公園にしてはかなり広く、園内の設計についても、樹木や設備などはその為に計算した配置をして、芝生や土のグランド部分を広めに取り、全体的に広々とした造りになっています。
じゃあその目的とは一体何なのか??・・・・・
それはズバリ!!大規模災害発生時に緊急避難場所のベースキャンプとして機能する為です!!
最近はTV等でもこのタイプの公園がよく紹介されているので、たぶん知っている方も多いかとは思いますが、13年前の“阪神大震災”の後、震災で得たいろいろな教訓をもとに研究され、現在、全国的に普及しつつあるのがこのタイプの都市型公園です。
ではどんなところが従来の公園と違うのか??どんな設備があるのでしょうか??・・・・・
まず上左の写真ですが、公園南側の遊具広場中央には小さな丘が造られ、その上には展望塔も造られています。
ここは普段なら、ロングスライド滑り台の乗り口であったり、上まであがればチョットした見晴らしの展望台で、子供たちにはいい遊び場なんですが、これが災害発生時に緊急避難場所となった際には、周辺の状況を把握して的確な判断を下すための司令塔的な役割を果たすようです。
次に上右は遊具広場のとなりにある公園の管理棟です。
向かって左は通常の公園トイレで、中央にあるのが管理人詰所、そして右側の扉がポイントですが、ここは災害発生時用緊急物資備蓄倉庫で、ここには周辺住民の想定人数分をまかなうだけの緊急保存食料や、この公園を緊急避難場所として機能させるための備品・物資の一式が収納されているらしいです。
続いて上左の写真です。 小さめの四角いマンホールが6個並んでいますが、これは何だか分かりますか??
実はこれ、震災後に考え出された設備の中でも、マスコミなどでも取り上げられかなり話題となったものの一つですが、ここには有事の際に簡単にパーテーションと屋根、若しくは小型テントを設置して、6個のマンホールを個別に仕切り、個々のマンホールの上には簡易型の洋式便器を設置して、緊急用仮設トイレになるようになっています。
これは13年前の震災の際、各避難所に設置された、工事現場などでもよく見かける簡易仮設トイレが、汚物タンクが小型のためにすぐ満タンとなり溢れて、まったく機能せずトイレに困ったという教訓から考え出されたもので、一直線に並んだマンホールの下は、直接下水道管が通っており、さらにその配管は下水道本管へと繋がっていて、排泄物は直接に下水処理場へと送られるので、大人数での長期間使用にも、トイレ機能に支障をきたさないよう考えられているそうです。
さてその次は上右の写真ですが、これもパッと見ただけでは、単に正方形の公園ベンチが三つ並んでいるだけですけど、これも災害有事の際には、上の木製座面を撤去すると三方をコンクリートで囲ったカマドが三つ登場し、炊き出しの為や、被災者共同のキッチンとして機能を発揮するそうです。
そして上の写真の東屋(あずまや)です。
この東屋は公園内に2ヶ所設置されていて、どちらとも屋根下四方の鉄骨の梁には大型のフックが多数ついており、これも災害有事の際には、このフックにシートを掛けて張り、東屋の四方を囲った中は救護所や指揮所など多目的に活用できるように考えられているそうです。
そして最後に何よりも一番重要なのは、この公園内の樹木・設備の設計・配置です。
明らかに明確な意図を持っての配置と思われますが、この公園の北側半分は南側半分とは一転して、樹木のほとんどが公園外周を囲むかたちで植えられていて、スペースの大部分は芝生と土の広々とした広場になっています。
これもおそらく災害有事の際には、避難所としてテントや仮設住宅が設営可能なようにこのようなスペースがとられているのではないかと思われます。
・・・・・ザッと一通りご紹介しましたが、“笹原公園”はこんな公園です。
でもやっぱり、ホント最新の都市型公園というのはスゴイもんですねぇ〜!!
最近は国でも地方でも行政の在り方に問題が山積みですけど、こういう公園を増やすために税金を使ってくれるのなら、税金を取られるのもまだ納得できる気がしますよネ!!
でも実際にはこれらの機能も使われることなく、いつまでも平和な公園であり続けてくれることを祈りたいモンです!!